2021/07/15 10:09

感染症や自然災害の脅威が増していることを受け、新年度の介護報酬改定ではBCP策定を全事業者に義務付けること

を厚生労働省が発表しました。

BCP策定には相応の準備が必要なことを踏まえで3年間の経過措置を設け、完全義務化は2024年度からとなりま

した。

新年度からの3年間は努力義務としています。


東日本大震災で犠牲となったのは多くの高齢者でした。警察が身元を確認したご遺体のうち、65歳以上の割合は全

体の56.5%。亡くなった方の過半数が高齢者でした。

犠牲者の死因は90.4%が溺死だったことを考えると、津波が迫る中、避難できずに亡くなった高齢の方は相当数に

上ると考えられます。

そのような有事の際に、確実な避難及び必要な介護サービスの提供を続けられる体制の構築を目指すため、介護事

業所におけるBCP策定が求められています。


今年度の介護報酬改定では「災害対策」も評価のひとつとなりました。



厚労省が解釈通知案で例示した、BCPへの具体的な記載項目は以下となります。


○ 感染症に係るBCP

・平時からの備え(体制構築・整備、感染症防止に向けた取り組みの実施、備蓄品の確保など)

・初動対応

・感染拡大防止体制の確立(保健所との連携、濃厚接触者への対応、関係者との情報共有など)



○ 災害に係るBCP

・平常時の対応(建物・設備の安全対策、電気・水道などライフラインが停止した場合の対策、必要品の備蓄など)

・緊急時の対応(BCP発動基準、対応体制など)

・他施設、他地域との連携



各項目の詳しい記載内容については、「想定される災害などは地域によって異なる。項目は実態に応じて設定する

こと」と呼びかけられているため、各事業所ごと被害想定を把握した上でBCPを策定することが必要です。


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